登記ってどんなもの?(1)

土地や建物の不動産登記は何の為のものでしょうか。

法務局のホームページによると、

「不動産登記はわたしたちの大切な財産である土地や建物の所在・面積のほか,所有者の住所・氏名などを公の帳簿(登記簿)に記載し,これを一般公開することにより,権利関係などの状況が誰にでもわかるようにし,取引の安全と円滑をはかる役割をはたしています。」

 

つまり、登記事務をしている登記所に行って手数料を払えば、誰でもその内容を確認することが出来るのです。

これは自分の所有する土地や建物に限らず、所在地番が分かれば誰のものでも確認することができます。

 

「登記所」と言う名称はあまり聞いたことが無いと思いますが、愛媛県内では松山地方法務局(本局)と、法務局砥部出張所・法務局大洲支局・西条支局・四国中央支局・今治支局・宇和島支局がこれに該当します。

 

最近は登記記録がコンピューターシステム化された為、登録をすることによって、登記所に行かなくても事務所・会社のパソコンからオンラインで登記内容を確認することも可能となりました。

実際の登記申請をする私のような土地家屋調査士や司法書士は仕事の必要上全員が登録しているものと思います。

また、不動産業者・建築業者にも登録しているところが多くあると思いますので、登記所(法務局)に行くのが面倒な方は相談してみてはいかがでしょうか?

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すべての不動産が登記されているとは限らない・・・不動産登記法

不動産登記法とはその名のとおり、不動産を登記する為の法律です。

不動産の登記は大きく分けると、土地と建物に分かれます。

土地に関しては、農道や水路など公共物を除きすべての土地に地番が付され、登記されていない土地は無いのが原則です。

一方、建物に関してはすべての建物が登記されているとは限りません。

なぜなら、登記は申請主義と言って、当事者が法務局に対して登記申請をしなければならず、自動的に役所が調査して登記をするものではないからです。

土地は消滅するものではありませんから、一度登記して地番を設定すればその地番記録は原則として消えることがなく、その後は各地番の詳細情報(面積や所有者情報など)の変更があるだけですが、建物は永遠のものではないですから、常に造ったり、壊したりを繰り返している物です。

新しい建物ができて建物新築の登記申請があれば、法務局に新たな登記記録を追加し、古い建物が取り壊されて建物滅失の登記申請があれば、法務局の登記記録を削除しなければなりません。

この様な登記の申請は本人がしなければならないのですが、必ずしもすべての人が几帳面に申請するとは限りません。

従って、建物を建てたり、壊したりしてもほったらかしにしていると、「建物はあるが登記はない」「登記はあるが建物はない」といった事が生じるのですが、これはあまり珍しいことではありません。

現在は、建築資金を金融機関から借り入れて建築するケースが多く、手続の都合上登記しない訳にはいきませんので、未登記の建物は減少していると思われますが、過去には現金で建築する事も多く、この場合登記をしなくても困ることがあまりなかったことも原因の一つです。

しかし、不動産登記法では建物の新築・増築・取壊など不動産の物理的状況の変化があった時には1か月以内に登記申請しなければならず、これを怠った場合10万円以下の過料に処すことになっているのです。

正直、私自身は実際に適応された人は聞いたことはないのですが、とはいえ、法律に定められた決まりです。

皆さんのお家はきちんと登記されていますか?

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給水・排水について

道路のある土地であれば、見た目、建築に支障がないように思われがちですが、その道路が「建築基準法上の道路」でなければ、原則として建築確認が受けられない事は前回お話ししました。

それ以外にもうっかり見落としがちなのが、水道・排水が確保できるかどうかです。

当たり前ですが、通常は上水道の確保が出来る事と、雨水・汚水の排水が可能である事が建築には不可欠なのですが、表面上は見えない部分ですから事前に確認をしておかなければ建築に大きな支障を来すことがあります。

上水道に関しては、建築地の周囲に上水道管がなければ遠くから引き込んでこなければなりません。

排水に関しては、雨水と汚水の2種類があります。

雨水はその名のとおり雨の水、汚水は台所・風呂・トイレの水です。

この処理方法については、地域によって異なり、下水道管が整備されている地域では、雨水を最寄りの水路や雨水管に排水し、汚水も別の排水管で最寄りの下水管に排水します。

これを分流方式といい排水管が2本必要ですが浄化槽は必要ありません。

下水道管が整備されていない地域では、敷地内に浄化槽を設置して汚水を浄化した上で、雨水と一緒に最寄りの水路等に排水します。

これを合流方式といい、浄化槽は必要ですが排水管は1本となります。

排水においても、建築地の周囲に水路・雨水管・汚水管が存在するかどうか。

そこに接続して問題ないかを確認しておく必要があります。

中でも水路に関しては、目の前に水路があっても、地域の慣習により、「その水路は農業専用の水路で、汚水の排水は不可」という場合もあります。

建築とって必要不可欠な給水・排水に問題が生じた場合は、その解決に大変な時間・労力・費用が必要となる事は珍しくなく、最悪その土地では建築出来なかったという事もあります。

道路と同様に、建築予定地ごとに状況や事情が異なり、1件1件個別に判断する必要があります。

万一のことを考えて、道路と併せ最初に調査・確認をしておくことをお勧めします。

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