給水・排水について

道路のある土地であれば、見た目、建築に支障がないように思われがちですが、その道路が「建築基準法上の道路」でなければ、原則として建築確認が受けられない事は前回お話ししました。

それ以外にもうっかり見落としがちなのが、水道・排水が確保できるかどうかです。

当たり前ですが、通常は上水道の確保が出来る事と、雨水・汚水の排水が可能である事が建築には不可欠なのですが、表面上は見えない部分ですから事前に確認をしておかなければ建築に大きな支障を来すことがあります。

上水道に関しては、建築地の周囲に上水道管がなければ遠くから引き込んでこなければなりません。

排水に関しては、雨水と汚水の2種類があります。

雨水はその名のとおり雨の水、汚水は台所・風呂・トイレの水です。

この処理方法については、地域によって異なり、下水道管が整備されている地域では、雨水を最寄りの水路や雨水管に排水し、汚水も別の排水管で最寄りの下水管に排水します。

これを分流方式といい排水管が2本必要ですが浄化槽は必要ありません。

下水道管が整備されていない地域では、敷地内に浄化槽を設置して汚水を浄化した上で、雨水と一緒に最寄りの水路等に排水します。

これを合流方式といい、浄化槽は必要ですが排水管は1本となります。

排水においても、建築地の周囲に水路・雨水管・汚水管が存在するかどうか。

そこに接続して問題ないかを確認しておく必要があります。

中でも水路に関しては、目の前に水路があっても、地域の慣習により、「その水路は農業専用の水路で、汚水の排水は不可」という場合もあります。

建築とって必要不可欠な給水・排水に問題が生じた場合は、その解決に大変な時間・労力・費用が必要となる事は珍しくなく、最悪その土地では建築出来なかったという事もあります。

道路と同様に、建築予定地ごとに状況や事情が異なり、1件1件個別に判断する必要があります。

万一のことを考えて、道路と併せ最初に調査・確認をしておくことをお勧めします。

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